興味の壺

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三菱 MRJ

ようやく日本期待のMRJ(三菱リージョナルジェット)が飛んだ。

多くのマニアが、全国から集まり、初飛行を注視し喜びの声を上げた。
MRJの開発に関係した企業の方々も来ており、こみ上げるものがあったという。

三菱 MRJ全体画像 多くの高性能戦闘機を製造してきた日本だが、戦後GHQにより製造が禁止された。
生産解禁後、官民挙げて国産機の復活を目指したYS11だったが、赤字続きで73年、生産終了。
それから現在まで、国内メーカーは、海外メーカーの機体の部品製造など「下請け」に甘んじてきた。

MRJは、YS11以来、約半世紀ぶりの国産旅客機。2008年の事業化決定から7年かけて初飛行にこぎつけた。
現在、MRJの競合相手は、ブラジルの「エンブラエル」とカナダの「ボンバルディア」。2社で中型機市場の大半を占める。

いつの間に、これらの国がのし上がってきたのか知らないが、参入した以上、かつての航空機大国日本は、そして三菱は、必ずや巻き返して欲しいものである。
初飛行を見るため、遠方から駆け付けた多くの方々も、同じ思いに違いない。

エンジンには、P&W(プラット&ホイットニー)社の、新型ギヤードターボファンエンジン(GTF)を採用。
GTFはファンの駆動に遊星ギヤを介する構造で、従来型より相対的に大きいファンを用い、バイパス比を高めることができ、燃費の向上につながる(P&Wでは、GTFは従来のエンジンより12%燃費が良いと説明)。
当初の計画通りならMRJが同エンジンシリーズを採用した航空機の中で最初に初飛行をする予定だったが、度重なる計画遅延により、ライバルのボンバルディア Cシリーズが先に初飛行(2013年9月16日初飛行)を行う。

GTFについて
現在の旅客機のエンジンは、「ターボファンエンジン」が主流である。
これは、ターボジェットエンジンの最前部にファンを追加したものである。
ジェットエンジン本体(コア部分)は、ある程度、高速回転させなければ効率が悪い。
最前部のファンは、音速以下で回さなければ効率が悪い(プロペラと同様)。
そこで、エンジンコア部分と、ファンとの間に、遊星ギアによる減速装置を挟み(画像下)、ファンの回転を落としたものが、GTFである。
(遊星ギアは、バッテリー式ドライバードリルの減速にも用いられている)

Pratt & Whitney PW1000G ギヤードターボファンエンジン
Pratt & Whitney PW1000G / Geared Turbofan Engine

そうなるとGTFは、ジェットエンジンに、普通のプロペラを付けた、「ターボプロップエンジン」と呼ばれるエンジンのプロペラを、エンジン内部に収めたダクテッドファンエンジンと言える。
また、ほとんどの推力は、ファンから得ており、その割合は、「ターボプロップエンジン」と同等と言われる。

ともあれ、機体は飛んだ。
販売までには多くのハードルが待ち受けていると言われるが、やってくれるものと思っている。

また、素人が無責任に言って申し訳ないが、次は、エンジンの国産化。当然、関係者は視野に入っていると思うし、目標だろう。
我々は、外野から待つしかないのだが・・・