興味の壺

メカデザイン、機器デザイン、プロダクトデザイン、伝統的アーキテクチャー等を紹介します。

YAMAHA XTY525

DT250、XT500、TY125、TY250などがリリースされた時期、YAMAHAの個性は輝やいていた。
その後も、暫くは魅力のある製品が続くのだが、当時、XT500は、コンチネンタルヨーロッパ、特にフランスで人気があることを聞いた。

今もフランスでは、XT500をベースにTY風にアレンジし、トレールやトライアルを楽しんでいることを知って驚く。
カスタムショップで改造され、かなりの台数がユーザーの手に渡り、楽しんでいるのがサイトから分かる。

YAMAHA XTY525 右側面後方から YAMAHA XTY525 右側面前方から YAMAHA XTY525 風景の中でのショット 参照サイト:L'oeil de Fred

現在のトライアルモデルや、トレールモデルは、コンペティションモデルに近いから、敷居が高く、気軽に跨る気になれない。
かといって、このエンジンや車体で、本気でトライアルをやろうとは思わない。
思わないが、このバイクは、オフロードを楽しみ、トライアルもエンジョイできるような、車体である。
ただし、彼らは、古くから重いBSA等でトライアルを行ってきた歴史があるので、この車体でトライアルを楽しむことには、それ程抵抗はないと思われる。

スペシャルなオフロードバイクも良いが、気軽にオフロードを楽しめるオールラウンダーは重宝する。
特に、525tというキャパシティが、カバーする範囲を広げる。

繰り返すが、エンジンのモディファイを見た場合、熱対策等、かなり、トライアルに適応させているようではあるが、ポジショニングはオリジナルのままだから、日常で普通に使うことに適したバイクだと確信する。
実際、サイトを確認すると(2016/11)、野を走りまわり、トライアルを楽しむためのバイクであることが判る。

ともあれ、古典的だが、シンプルで普遍的な美しさを持つこのバイクに、そして、それを作り、受け入れられている環境、土壌に驚嘆と憧憬を禁じ得なく、紹介させて頂いた。

YAMAHA XTY525 上面 XTY525の参考記事(サイトから)

シリンダーボアは、オリジナルの87oから89oへ。
ピストンのスカートはグラファイト加工でスリップ性が高い。
オリジナルのオイルポンプは、油圧と流量を50%増加させ、シリンダーヘッドへ供給される。
オイルラインは、オリジナルの細いメタルチューブから、太い直径のフレキシブルホースに変更。
あのミック アンドリュースも、XTL525をオーダー(!!)。
画像上は、ドライサンプ タンク キャップを兼ねる油温計(?)。

参考資料
下画像は、2気筒の「YAMAHA XS650」をベースにしたプロトタイプ「YAMAHA XTY700」。
シンプルでトラディショナルなエンジンを持つ「XS650」を、TY風のオフロードバイクにアレンジしてしまった。
そして、ダートを楽しむ。
本当にモーターバイクが好きなんだなと思う。

YAMAHA XTY700 右側面 参照サイト:L'oeil de Fred