興味の壺

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植物由来の超強力接着剤

北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科・金子大作助教授は、あらゆる植物に含まれる分子を高分子化していくことにより、接着強度が既存の瞬間接着剤の約2倍もある植物性接着剤の開発に成功した。

この新接着剤は、従来の接着剤とは全く異なる接着機構を持ち、ガラスや種々の金属など、有機・無機材料を問わず、あらゆる材料を強固に接着することができる。また、植物由来のため環境負荷の低減と人体への安全性も期待できる画期的な接着剤といえる。

これは、植物の細胞壁に含まれる原料(カフェ酸・パラクマル酸)を用いた、カテコール性の接着剤である。
カテコールとは、ベンゼン環にOH基が2つ付いた化学構造を持つ物質で、耐熱性があり、有機・無機表面を問わずにあらゆる材料の表面に分子レベルで強固に接着する。

例えば、ムール貝はドーパと呼ばれるカテコール性のアミノ酸を出し、岩盤や船底などあらゆる表面に強固な接着をする。
また、日本古来より用いられてきた漆は接着剤としても利用されて来ており、主成分のウルシオールもまたカテコール性分子である。
この様に自然界には、カテコール基の接着性を利用した接着機構が存在している。

金子助教授が開発した新接着剤も、接着メカニズムは完全には解明されていないが、カテコール基という分子構造の働きとみられている。

「5センチ角の接着面でゾウが持ち上がる」(同助教)という。住宅の内装向けのほか、自動車の車体の軽量化などに応用が期待できる。
現在、高コストが課題で、現時点で市販すれば、価格は既存商品の約10倍程度になるという。

ウルシオールとカテコールの化学式所で、図のようにウルシオールはカテコールと非常に構造が近い、いや一種のカテコールである。
私は、ウルシの接着力を把握していないが、木工への可能性もありそうである。
硬化したウルシは、フレキシビリティに欠けるから椅子の接着には向かないか?

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